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解説:武満 徹(Toru Takemitsu)
マリンバという楽器に対する私の偏見は高橋美智子さんによって呆気なく打破されてしまった。厳格に調律された木質の鍵盤楽器が持つ、奇妙な倍音のシステムを私は好まなかった。それに、融通のきかぬ規定されたピッチに、私の音楽とは相容れないものを感じていた。
だが 高橋さんの演奏に接して、然らした事柄を忘れるほどの大きな魅力と、この楽器が生み出す音楽の悦びを知った。高橋さんの技術は完璧であり、またこの上な くアトラクティブである。高橋さんは発明の才に富み、従来のマリンバの演奏法に、新たに多くの魅力も加え、この楽器の可能性を拡げた。私のGitimalya は高橋美智子という稀有の演奏家のために作曲された。
Gitimalyaという題名はベンガル語で旋律の花束(Bouquet of Songs)という意味である。 タゴールの詩の一節から引かれた。題が示すように、ここではマリンバは、打楽器的な性格は寧ろ抑えられて、より旋律的に扱われている。中近東風のニュアンスを持ついくつかの歌が、花飾りのように、ひとつの律動構造の上に綴られてゆく。マリンバが持つ特殊の倍音をいかすために、オーケストラは高音のヴァイオリンを欠いている。演奏には極度に高度な技術が要求されている。
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Michiko Takahashi "GITIMALYA" for Marimba and Orch./Toru Takemitsu
2000.9.25 高橋美智子マリンバ協奏曲の夕べ
Marimba Concerto Evening
マリンバ:高橋美智子 / 小松一彦 指揮 東京交響楽団
サントリーホール
この「高橋美智子マリンバ協奏曲の夕べ」の演奏に対し、第19回中島健蔵音楽賞を受賞しました。
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※ 世界初演は 1974年9月 オランダ ロッテルダム交響楽団 定期演奏会
ソリスト:高橋美智子 指揮: エド・デ・ウァールト ロッテルダム・デ・ドゥーレンホール で行われた。
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高橋美智子 音源集
? 弾いて!、弾いて!、また弾いて!高橋美智子:マリンバと共に80年 (音源集 ①)スタンダード名曲編
http://www.michiko-noguchi.net/2019/07/24/marimba-michiko-takahashi/
? 弾いて!、弾いて!、また弾いて!高橋美智子:マリンバと共に80年 (音源集 ②)オリジナル作品編
http://www.michiko-noguchi.net/2019/10/21/michiko-tamahashi-original/